Acquia Certification Programの日本語版4つを受験・合格できたので試験内容と感想をまとめました。
範囲の確認・勉強方法
どの試験もStudy Guideを元に確認するのが手っ取り早いです。 それぞれ出題範囲の概要とドキュメントのリンク集がセットなので便利。
一通り目を通すことをおすすめします。
あとは手元で動かせるDrupalはあったほうがいいと思います。フロントエンド、バックエンドの時は頻繁にソースを参照しました。
Acquia Certified Drupal 8 Site Builder
「管理画面の操作だけでサイト構築できること」を問われる試験でした。
- 画面操作に関する文章が多い都合上、設問も選択肢も文字多め。
- この画面のこの項目をうんぬんする、というやや細かい操作の選択肢もある。
- いかにコアのモジュールだけで完結できるか、という観点で解答することが必要。
- 試験内の画面項目は日本語訳で提示されるので、日本語で表示される管理画面を知っていないと辛いかも。
コーポレートサイトのようなログインなしユーザ向けのサイトと、 ログイン前提の会員向けサイトのデモサイトをなんとなく作れる人は大丈夫だと思います。
ContentとTaxonomyを定義して、Userに項目持たせてViewsで絞り込んで表示とか、 フッターにブロック配置するにはブロック登録して・・・などで管理画面の絵が浮かぶならNo勉強でいけるんじゃないでしょうか。
私は普段使わないMenu、Contact、Themeの設定まわりは結構適当だった気がします。
Acquia Certified Drupal 8 Developer
モジュールとテーマをサンプルでも作ったことがある人向けの試験かなと思います。
- 設問、選択肢ともにコードが登場
- モジュールはService、Routing(Controller)、Form、Block Plugin、Event Subscriber、DI、内部キャッシュまわりの設問があったような気がする
- テーマはhookでライブラリを差し込むには問題が多かったような。
- yaml定義の設問は細かいので、項目名(変数名・キー名)や必須項目の可否は覚えとくといいかも。
- コーディングスタンダードの設問も細かい。でも1問くらいだったような気も。
- Site Builderの時と似たような管理画面操作系の設問もある
モジュールもテーマもStudy Guideからも参照がある Develop Documentationで「この通り作ってみましょう系ページ」の内容が作れれば、まずは大丈夫。
DIの仕組み、内部キャッシュはドキュメントと手元コードでおさらいしました。
Site Builderと比べて設問・選択肢ともに文章量が減るので、時間は余裕でした。
Acquia Certified Drupal 8 Front End Specialist
- Developer試験の延長な感じ
- CSSはセレクタの優先度など基礎知識問題がやや多い
- TwigはDrupal特有の関数を抑えとくといいかも
- hookはattachment、preprocess、suggestionsあたりがメインだったような
- .info.yml、.libraries.yml は細かく理解していたほうがいいかも
- JSの問題は少なかった気がする
ほぼテーマに関することだけなので出題範囲は広くないですし、 最近のフロントエンドエンジニアに求められる内容に関する設問は一切ないです。
Acquia Certified Drupal 8 Back End Specialist
- JSのvar・letの違い、CSSのflexbox、HTML5で追加されたタグ、Composerなど、Drupalとは関係ない基礎知識問題もある
- API系はマニアックなのはなくてよく使うものが多かったような。Entity API 、Database APIは設問であった気がする。
- コアで提供されているPluginは一通り知っていたほうがいいかも
- そのhookは影響範囲大きいから使ったことないわーという設問があったような。Fieldまわりだっけかな。
- テーマの設問もしれっとある。
ダントツで難しかったけどDrupalらしい設計とか工数算出の力は向上した気がするので、勉強してよかったなーと思った試験です。 コントリビューションモジュールを提供できる人は楽勝だろうなーと思いながら受けた試験でした。
勉強の際にExample集のモジュールはとても参考になります。多分これからも参照していく気がする。
https://www.drupal.org/project/examples
どの試験もフレームワークの仕様を知る意味ではいい内容だったではと思います。 ただDrupalってコントリビューションモジュール・ディストリビューションの知識量も大事だと思っているんですが、 その辺りは試験の対象外ですね。
さらに2020年7月の段階で、Drupal9試験(英語)が存在するみたいなので気になる人は検索してみてください。